飯田市長選・牧野氏が大差で再選

 任期満了(27日)に伴う飯田市長選は19日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の牧野光朗氏(47)=無所属、八幡町=が3万1373票を獲得し、新人で税理士の原久氏(54)=無所属、上郷黒田=に1万8586票の大差をつけて再選を果たした。告示2日前になって「無投票を阻止する」と突然立候補を表明した原氏は1万2787票を獲得し善戦したが、投票率は52・03%で前回(69・70%)を17・67ポイント下回り、市長選史上最低を記録した。有効投票数に占める得票率は牧野氏が71・04%、原氏が28・96%だった。

 新人4人が立候補した前回の市長選で「経済自立度70%」を公約に掲げて激戦を制した牧野氏は、1期目を「耕しと種まき」の段階と位置付け、産業振興、子育て支援、防災対策を重点施策として取り組んできた。5月末に後援会から2期目の出馬要請を受け、6月3日の市議会定例会で「これまでの確かな手応えを大きなうねりに変換して、飯田を持続可能な定住自立地域にしていく」と正式に出馬を表明。8月29日には「人材サイクル構築により飯田のダイナミズムを創造し、更なるパワーアップを目指します」をキャッチフレーズに、2期目に向けての「5つの基本方針と具体的なζ10の重点的政策目標」を発表した。

 告示まで1カ月となっても対立候補が現れない中、後援会は9月13日に支部長役員会を開き、選挙態勢づくりをスタート。10月1日には鼎上山に新事務所を開設。4日には鼎文化センターホールで決起大会を開催し「最後までやるべきことを粛々と進め後援会の輪を広げていく」と無投票ムードを戒めた。

 しかし、対立候補が現れないまま牧野氏の無投票再選が確定的との見方が高まる中、告示3日前になって市議会議員の原勉氏が立候補届出書類を持ち帰り、翌10日の午後に事前審査を受けた時点で初めて原久氏の出馬が判明した。原氏は同夜、市役所記者クラブで会見を開き「無投票を阻止するため立候補を決意した。牧野さんの自立度は評価しているが、物足りないと感じているところがいくつかある。なかなか成果が出ず、だれちゃっているところが見受けられる。具体的な施策についてはこれから考えるが、市民の幸せ度を上げることが一番大切。健康福祉に力を入れていきたい」と正式に出馬を表明した。

 告示2日前に対立候補が突然出現したため、牧野氏の後援会は一時緊張が走ったが、急きょ立て直しを図り、選挙戦に突入後は連日遊説と個人演説会を計画どおり開催。牧野氏が政策と思いを伝えるとともに、急な選挙となったため、有権者の関心の低さを懸念し、投票率アップを訴えた。

 選挙戦に持ち込んだ原氏は、元町の旧綿治石油スタンドに選対本部を構え、知人や友人らによる応援団に支えられながら、遊説や街頭演説などで懸命に支持を訴えた。しかし、出遅れによる準備不足、組織と知名度不足は遺憾ともしがたく、牧野市政に対する批判票や浮動票の取り込みを狙った投票率アップは裏目に出た。
 しかし、原氏の得票率が28・96%に達したことは、牧野市政に物足りなさを感じている市民が少なくないことを物語っている。2期目には成果を出すことが待ったなしとなる牧野市政や市役所に対する風当たりは今後ますます強くなりそうだ。

 当日有権者数は8万5578人(男4万407人、女4万5171人)。期日前投票と不在者投票を含めた投票者数は4万4525人(男2万855人、女3万3670人)で、投票率は52・03%(男51・61%、女52・03%)だった。
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