一般の賃貸物件は火災保険に加入することが、事実上義務となっていますが、URで賃貸物件の契約をする際には、火災保険の加入は任意となります。
はたして、火災保険は必要なのでしょうか?入らなくて済むなら入らない方が経済的にも楽ですね。
そこで今回は、火災保険に入らないとどうなるのか・加入するとどういうメリットがあるのかについてご紹介していきます。
UR賃貸住宅で火災保険に入らないとどうなるのか
UR賃貸住宅では火災保険の加入は契約条件とはしていませんが、任意での加入を勧めています。
加入が必要なのかどうか、火災保険に加入していない場合のメリット、デメリットをまとめました。
◯メリット
- お金の節約になる
加入すると年間数千円〜2万円程度の出費が見込まれますので、その分節約できます。
◯デメリット
- 自分の過失で火災や水漏れを起こして家財に損害が生じても補償がない
自身の家財はもちろんですが、うっかり水漏れを起こして下階の部屋の家財に損害を与えてしまったような場合の保証はありません。全て自腹です。 - 隣室などからのもらい火に対する損害の補償がない
意外に思われるかも知れませんが、原則として、隣人などからのもらい火による
損害賠償は請求できません。(重大な過失と認められるケースを除く)
何故でしょう?それは失火責任法という法律が適用されるからです。
失火責任法とは
本来は失火によって他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う事になります。
(民法709条)
ですが、日本には木造家屋が多いので、そのまま適用すると失火者に重大な責任を
課す事になります。
そのような理由で、重大な過失がある場合を除き、失火の損害賠償責任を負わない
事になっています。
自分がどれだけ気をつけていても、他人の出火までは防げませんので、心配ですね。
賃貸住宅には、このように他の居住者の過失によるリスクがあることを頭に入れておく必要があります。
- 退去時に部屋を原状回復するための補償がない
退去時には借りていた部屋の原状回復をする義務があります。
火災や水漏れなどで部屋に損害を与えていた場合、火災保険に加入していないと自腹で修繕費を負担しなくてはなりません。
以上、メリット・デメリットを解説しました。もしものことを考えるとメリットよりデメリットの方が大きいですね。
では実際、火災保険はどこまで保証してくれるのか、次章でご説明しましょう。
そもそも火災保険って?
火災保険は、主に家財、建物の損害が補償対象の保険です。
契約の内容にもよりますが、火災だけではなく、水漏れや風災、雹(ひょう)災、雪災など幅広い範囲を補償してくれます。
その中でも、賃貸物件を対象とした火災保険は次の3点をセットした内容が一般的です。
◉家財保険
自分の財産(家具・家電・衣類など)の損害に対する補償をする保険です。
賃貸物件の場合は、「建物」は所有者(大家さん)が保険に加入しているのが一般的なので、借り手側は自分の「家財」を対象にします。
◉借家人賠償責任保険
火災や漏水などで、借りている部屋に損害を与えた場合、入居者は損害賠償責任を負います。
その際生じる原状回復の費用を補償する保険で、火災保険の特約となっています。
◉個人賠償責任保険
日常生活での過失により、他人を負傷させたり、他人の所有物に損害を与えて、法律上の損害賠償責任を負った時に補償する保険です。
例えば以下のようなものです。
- お風呂の水を出しっぱなしにして、階下の部屋を水浸しにしてしまった
- 自転車で通行人にぶつかり、怪我をさせてしまった
- 飼い犬が通行人に噛みつき、怪我をさせてしまった
個人賠償責任保険も火災保険の特約として加入できますが、他の保険(自動車保険など)の特約としてすでに加入している場合があるので、確認が必要です。
火災保険の相場
火災保険を検討する際に、気になるのはやはり金額です。
相場は家財保険の補償額や、家族構成、特約、建物の構造(耐火性能)などによって変わってきます。
URの多くの物件は鉄筋コンクリート造(RC)や、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)ですので、木造などに比べて、保険料が安くなります。
目安としては3,600〜10,000円程です。
例:Z社の場合
・ 20代1人暮らし 家財保険100万円(個人賠償責任保険、借家人賠償責任保険等あり)
3,610円/年
・30代夫婦 子供1人 家財保険700万円(個人賠償責任保険、借家人賠償責任保険等あり)
7,100円/年
自分に合ったプランを探すことで、無駄な出費を抑えることができますので、よく検討されることをおすすめします。
UR賃貸住宅におすすめの火災保険3選
やっぱり、火災保険に加入していた方が安心。
でもどういうプランがあるのだろう?という迷われている方のために、UR賃貸住宅におすすめな火災保険を3つピックアップしました。
1. 日新火災|お部屋を借りるときの保険
インターネットから簡単に申し込みができて、リーズナブルな保険料が魅力の商品です。
家財の保険金額(100万円から)+ 各種補償(借家人賠償責任保険、個人賠償責任保険など)の分かりやすい料金設定で、年間保険料4,000円からとなっています。
また、もし転居する事になっても、住所変更のみでそのまま使えるポータブルな保険です。
住所変更、解約などの手続きもネットで簡単にできます。
手間をかけずに、必要な補償がついて、とても経済的な保険料で安心できるプランです。
2. Mysurance|スマート火災保険
損保ジャパンの100%子会社であるMysuranceの商品です。
従来の火災保険は年間契約が主ですが、こちらはなんと月額制です。また、書面による契約ではなく、ネットですぐに契約できるところが特徴です。
スマート火災保険はベーシックプラン(個人賠償責任保険込み)と、スリムプランがあります。
個人賠償責任保険にすでに加入している方はスリムプランを選択する事により、より経済的な保険料で契約できます。
料金プランは
・ベーシックプラン:570〜630円
・スリムプラン:380〜440円
で、家財保険金額は100万〜700万円まで100万単位で設定可能です。
個人賠償責任保険はすでに加入しているので必要ない、という方にもおすすめです。
3. 東京海上ミレア少額短期保険|お部屋の保険ワイドⅡ
今までご紹介しました2つの商品に比べて、保険料が高くなりますが、その分充実した補償内容になっています。
例えば、お部屋の保険ワイドⅡの家財補償は、水災や汚損・破損までカバーしています。これは「お部屋を借りるときの保険」「スマート保険」では補償範囲外です。
また、地震災害費用や失火見舞い費用などのさまざまなサポートが付いています。
最近の異常気象でいつどのような災害に合うか分かりません。
広範囲な補償で、安心感がある保障を望まれる方におすすめの保険です。
まとめ
URの賃貸物件は火災保険の加入は任意でした。
この記事では加入しない場合のメリット・デメリットについて解説してきましたが、いざ火災や災害が発生した時にはデメリットの方が大きいですね。
隣室からのもらい火や水漏れはもちろん、うっかり自分の過失で部屋に損害を与えてしまったということはあり得ることです。
その時に、自腹で弁償するのは大変ですし、その後のご自身の生活にも影響が出るかも知れません。
火災保険も色々なタイプの商品がありますので、自分のライフスタイルに合わせた保険を検討されてはいかがでしょうか。
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