最近の賃貸物件では、家賃保証会社への加入を条件にした物件がほとんどです。
中には、連帯保証人と家賃保証会社への加入がダブルで必要な場合も…。
そもそもなぜ「家賃保証会社」への加入が必要なのか、費用を負担するのはおかしいのでは?という疑問の声もよく聞きます。
- 部屋を貸す側にしかメリットないのに、なんで入居者が保証料を払う必要があるの?
- 家賃保証会社との契約をしたくない。断りたい!
- 連帯保証人がいたら家賃保証会社は使わなくてもいい?
- 保証料含めて引っ越しの初期費用高くない?安く済ませる方法は?
今回の記事は、このようなお悩みや疑問が解決できる内容になっています。
これから良い物件に出会うためにも、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ぜひご一読ください!
もくじ
なぜ家賃保証会社は必要?借主負担はおかしい?
これまでの賃貸物件は連帯保証人を立てるのが一般的でしたが、最近の賃貸物件は家賃保証会社への加入を必須にしているものが多くなっています。
逆に、連帯保証人を立てるケースは減ってきているのです。
これはなぜなのでしょうか。ひとつずつ見ていきましょう。
1.家賃保証会社とは
そもそも家賃保証会社とは、入居者の家賃を大家さんに保証する会社のことを言います。
具体的には、入居者が月々大家さんに支払うべき家賃を滞納した場合、家賃保証会社が家賃を立て替えてくれます。大家さんとしては安心して物件を貸すことができますよね。
また、仲介業者である不動産会社は、入居者が家賃を滞納した場合、
「家賃引き落としができなかったので早く払ってください。いつ払えますか」
などといった電話や手紙で入居者に督促する仕事は、家賃保証会社がやってくれるため、督促にかかる手間やコストが減ります。
2.保証料借主負担で保証会社を使うのはおかしくない?
「大家さんは入居者が滞納しても家賃入ってくるから心配がなくなる、不動産会社は入居者に家賃の督促をしなくてもよくなる。
つまり貸す側のセーフティネットってことだよね?
それなら入居者が払うのおかしくない?
貸す側を守るためのセーフティネットなら貸す側が保証料を払うべきでは?」
という声も多く耳にします。
入居者にメリットなんかない!と主張する方も多いのですが、必ずしもそうとは言い切れないのです。
保証人を立てられない人にとっては、部屋を借りるためには家賃保証会社は必要な制度でもあります。
例えば今、全部の保証会社が消滅してしまったらどうなるでしょうか?
おそらく次のようなことが起こることが考えられます。
- 連帯保証人を立てないといけなくなる
- 敷金0の物件がなくなる
- 入居審査が厳しくなり希望の部屋を借りられない人が増える
家賃保証会社に加入する入居者のメリットについては、2章で深堀していきます。
3. 保証料はいくらくらいが相場?
初年度は家賃の0.5か月分~1ヶ月分が最近の目安です。
部屋を借りるときに、不動産会社と賃貸契約を結ぶ際、入居前に振り込む必要があります。
そして2年目以降は更新保証料として1~2年ごとに請求されます。
更新保証料は保証会社によっても違いますが、下記の3パターンが多いです。
▼更新保証料の請求パターン
- 家賃の20~100%の年払い
- 定額で1~2万円(年払い)
- 家賃の数%を毎月支払う(月払い)
最低保証料が3万円などと設定されている保証会社もあります。
賃貸物件の更新手数料に加えて、保証料も毎年払うことになります。
契約前には必ず確認しましょう。
4. 連帯保証人がいるのになぜ保証会社が必要なのか?
中には、「連帯保証人を立てる」「家賃保証会社への加入」両方必要な物件もあります。
学生さんはご自身に支払い能力がないため、連帯保証人を立てた上で、家賃保証会社への加入も必要なケースが一般的です。
また、高齢化による社会の変化によるところも大きいです。
借りる人も連帯保証人も高齢の場合、貸す側の「家賃をちゃんと回収できるだろうか?」という不安が大きくなります。
そのため、連帯保証人だけでなく、家賃保証会社への加入が必須条件となる物件があるのです。
家賃保証会社を使う入居者のメリット・デメリット
これまで述べてきたように、貸主にとってだけ都合のいいように思える家賃保証会社。入居者にとってのメリットはあるのでしょうか?
メリット・デメリットの両面を見ていきましょう。
1.「家賃保証会社」に加入する入居者のメリット
(1)保証料さえ払えば連帯保証人の代わりになってもらえる
まずはメリットは何よりも、保証人になってくれるような肉親が遠方に住んでいるなど、すぐに保証人が立てられないという方でも賃貸物件を借りられる、ということがあげられます。
また、高い家賃の物件だと、入居者はもちろん保証人になる方の年収も高くないと借りることができません。
・連帯保証人⇒年収1000万
(2)収入が安定しない人でも部屋を借りられる
フリーランス、外国籍の方、高齢の方など一般的に賃貸契約が難しいとされる方も家賃保証会社に加入することによって、お部屋を借りることが可能になります。
(3)敷金が減るケースがある
家賃保証会社のサービスには、滞納時の対応(入居者への家賃の督促)だけではなく、退去時の原状回復費用も保証するケースがほとんど。
そのため、滞納時の家賃回収や原状回復費用を充てるための「敷金」を徴収する必要がなくなるというわけです。
最近「保証会社への加入必須だけど敷金はゼロ」という物件が多くなってきているのはこの理由からです。
2.入居者のデメリットと注意すべき点
(1)入居者の金銭的負担
入居開始時と更新時に保証会社に払うべき保証料が徴収されます。
このため、ただでさえ高額になりがちな、引っ越しの初期費用が保証会社を使わない場合に比べてさらに高くなります。
賃貸物件の契約時には、保証料だけでなく、下記のような費用が必要です。
- 初月家賃
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- クリーニング代
- 鍵交換代
- 共益費
さらに引っ越し業者に払うお金や、家具や家電など買い替え、新規購入が必要な場合、引っ越しにかかる初期費用は高額になってしまいます。
これに加えて保証料も追加されたら…家計には大きな痛手ですよね。
(2)家賃滞納には注意
家賃保証会社に加入して賃貸契約をして、もし家賃を滞納したらどうなるでしょうか?
「家賃保証会社が立て替えてくれるなら保証料払ったんだし、払わなくていいんでしょ?」という考えは危険です。
立て替えてもらった家賃は保証会社に速やかに返済しないといけません。
すぐに内容証明郵便が届いたり、しつこく督促の電話や訪問があるケースもあります。
また、信用情報に傷がつき、転居したときに滞納情報を共有されることで、新しい賃貸物件の契約ができない、なんてこともあり得るのです。
滞納したまま数か月放置したら、契約解除となり、部屋の明け渡しを求められ、最悪の場合訴訟されるリスクもあります。
- うっかり他の引き落としがあることを失念して引き落としできなかった
- リストラされて家賃が払えない
- 病気や事故で身障者となり失業し、家賃を払えない
このような場合は放置ではなく、すぐに家賃保証会社に連絡して相談しましょう。
お金がなくてごはんも食べられない、という入居者の方のために無料食料支援してくれたり、分割支払いや給料日まで支払いを待ってくれる保証会社もあります。
家賃保証会社との契約で必要な書類・審査の流れ
家賃保証会社の利用には、審査が必要になります。
家賃保証会社と入居者との間で「賃貸保証契約」を締結するため、契約者(=入居者)に対する審査が行われます。その際、下記の書類の準備が必要になります。
《必要な書類3点》
- 家賃保証会社への利用申込書
- 身分証明書:運転免許証・マイナンバーカード・健康保険証など
- 収入を証明する書類
・源泉徴収票
・給与明細
・納税証明書
・在籍証明書など
上記3点を提出後、オーナーに変わり保証会社が入居者から提出された書類などを元に審査を行います。
- 勤務する会社の在籍確認⇒勤務する会社に電話がある
- 年収確認⇒支払い能力を見る
- 本人確認⇒入居者本人の連絡先に電話がある
通常は即日~1週間ほどで審査が終了します。
入居者にも本人確認の電話があるので、かかってきたらすぐ電話に出られるようにしておくか、すぐに折り返すようにしましょう。
書類不備や本人確認ができないままだと、いつまで経っても審査が終わらず、引っ越しの準備もできません。
※3月前後の繁忙期、GW、お盆、年末年始などは1週間以上かかることがあります。
家賃保証会社を使わずに賃貸契約する方法は?
「保証料が高いから保証会社は使いたくない!」という方も多いと思います。
家賃保証会社に加入せずに希望の部屋を借りる方法はあるのでしょうか。
「今どき保証会社を通さずに賃貸契約なんて絶対出来ませんよ」などと言いくるめてくる不動産会社の言いなりにならないように、知っておくべきことをチェックしておきましょう。
1. 連帯保証人を立てる
まずは前提として、家族など連帯保証人になってくれる人がいる方は、連帯保証人か家賃保証会社を選べる物件を探しましょう。
連帯保証人を立てれば保証会社への加入は必須ではない物件は探せばあります。
2. 保証会社不要の不動産会社・物件を選ぶ
「家賃保証会社」への加入が必須の物件が多い中でも、加入が不要の物件・不動産会社はあります。
例えば、「UR賃貸」は保証会社どころか、連帯保証人も不要です。
UR賃貸とは、公的機関であるUR都市機構が管理する賃貸住宅のことです。
敷金は必要ですが、保証料不要に加えて、仲介手数料・礼金・保証料・鍵交換代、クリーニングも不要なので、トータルの初期費用はグッと抑えられます。
・同じ物件を所有している他の不動産会社はないか?その会社の場合保証料はどうか?
・相場以上の保証料を請求されていないか?
・物件情報に保証会社との契約の要・不要が記載されていたか?
まとめ:家賃保証会社が借主負担はおかしいのか
・高齢化など社会の変化に伴い、家賃保証会社を利用するのが必須条件の賃貸物件が多くなっている
・保証料は入居開始時に家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分、更新時は年1~2万または家賃の20~100%の年払い支払いが相場。保証会社によっても保証料や、年払いか月払いかは違う。
・保証会社と保証人両方求められる物件もある。学生さんや高齢者は両方求められがち。
・UR賃貸なら、保証人も保証会社も不要で初期費用がおさえられ、近くに保証人となる人がいない方にも初期費用を可能な限り抑えたい人にもおすすめ!
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