老後に賃貸が借りられないのは嘘？不動産屋が解説

現在の日本は高齢化社会と呼ばれ高齢者の人口が増える一方で、高齢者になれば働きにくくなり、健康面でも心配なことが増えると思います。さらに老後に賃貸が借りられないというのは嘘なのか、不安になる人も多いと思います。

実際、老後に賃貸が借りづらくなるのは事実です。しかし、借りられないわけではなく、借りにくい理由のポイントを押さえていけば借りることができるためポイントを押さえていきましょう。

高齢者は賃貸が借りられないというのは嘘？
高齢者が老後に賃貸を借りる方法
高齢者が賃貸を借りにくい場合
高齢者だからといって断る大家さんも減っている
老後に賃貸を借りられないというのは嘘である

高齢者は賃貸が借りられないというのは嘘？

高齢者になると収入源も少なくなり、孤立して暮らす人も多いため、賃貸を借りる条件にあてはまるかわかりづらいと思います。「賃貸を借りることができない」というのは嘘です。（賃貸契約の条件を満たさない場合は借りることができません）しかし、賃貸が借りづらくなる、というのは事実です。実際、どのような理由で借りづらくなるのか説明していきます。

高齢者が賃貸を借りられない3つの理由

高齢者になると心配になるのが「金銭面」、「健康面」、「保証人」の3つになります。この3つの不安要素があることで高齢者が賃貸を借りにくくなってしまいます。

「金銭面」では、働くことができなくなるので年金生活が余儀なくされる人が多いです。しかし年金と言っても多く支払われるわけではなく、貸主側からすればしっかりと家賃を収めてもらえるのか不安になります。

「健康面」では、体が衰退するにつれ事故やケガのリスクも高まります。そのため、入居時は健康であっても数年後に体調を悪化が懸念されたり、孤独死の不安があったりと貸主側の不安に思うポイントになってしまいます。

「保証人」が必要な賃貸は多くありますが、身内の協力がなければ保証人を作ることは難しくなります。高齢者になれば、パートナーが亡くなっている場合もあり保証人が見つからない可能性があるので賃貸を借りる際は保証人の有無も確認しておきましょう。

高齢者が老後にアパートを借りられないわけではない

高齢者が老後にアパートを借りる人も少数ながらいます。高齢者が賃貸に居住する割合は1割程度とかなり少ないですが賃貸を借りられない、というわけではありません。実際に借りている人もいますが、賃貸契約の条件に満たさなければ借りることはできないので条件に合う賃貸を探す必要があります。

賃貸契約を結ぶ際には、金銭面はもちろん保証人などの必要となるケースが多いです。そのため、身内の協力や高齢者でも賃貸を貸してもらえるサービスがある会社などを選んで賃貸を探すといいでしょう。

賃貸を借りにくい年代は何歳からになるのか

高齢者になると賃貸が借りにくくなるといいますが、60代に差し掛かると審査に落ちやすい傾向が高まります。そのため、50代の間に賃貸を借りておくことがおすすめです。70代～80代になればより審査に通りにくくなるため、賃貸を借りるなら早めの決断が大切です。

しかし60代だからといって賃貸を借りれないことはありません。「金銭面に余裕がある」、「家族の援助がしっかりしている」など不安要素を解消できれば借りることは可能なため、あきらめずに自分に合った賃貸を探しましょう。

高齢者が老後に賃貸を借りる方法

高齢者が賃貸を借りにくい環境であることは間違いありませんが、借りる方法もたくさん存在します。賃貸を借りにくい理由を一つずつ解消していけば借りれる賃貸も出てきますので、借りやすくするにはどうすればいいか見ていきましょう。

「金銭面」で問題がないことをアピールする

賃貸を借りる際に大きく影響してくるのが金銭面です。年金生活はしているもののしっかりとした貯蓄があれば通帳のコピーを渡し、金銭面で余裕があることをアピールすることが大切です。

賃貸契約では家賃の2か月分の貯金があれば審査が通りやすいとされています。そのため、2か月分以上の貯金がある場合は積極的に金銭面で余裕があることをアピールしましょう。

初めから家賃の低い賃貸を借りることも手段の一つです。高額な賃貸に目を向けず、自分の経済状況を把握し自分に見合った賃貸を探すことも大切です。

家族や身内に援助を求める

賃貸を借りる際に「保証人」が必要な場合があります。高齢者にもなればパートナーが先に亡くなってしまっている場合や、家族が遠くに引っ越してしまっている場合、保証人が頼めないケースもあります。

そのため、あらかじめ家族や身内に相談し、保証人を確保しておけば賃貸契約の審査が通りやすくスムーズに契約まで進められます。また保証人以外にも金銭面でサポートしてもらうことや、健康面でもサポートしてもらえるように近くに身内がいると安心です。

高齢者でも賃貸を借りれるサービスを探す

高齢者であることのメリットとしては、転勤など入れ替わりの激しい若者世代と比べ、長い期間住んでもらえるというメリットがあります。そのため、「シニア歓迎」、「シニア相談可能」といった高齢者でも賃貸を借りやすい不動産会社で探すことがおすすめです。

またUR賃貸のように「高齢者向け優良賃貸住宅」や「シルバー住宅」といった高齢者向けの賃貸や生活支援サービスを行っているところもあります。こういったもともと高齢者向けの賃貸であれば、金銭面や保証人など不安になる要素が少ない賃貸となっているのでおすすめです。

高齢者が賃貸を借りにくい場合

金銭面が不安になる方もいれば、保証人を見つけることができず不安になる方もいると思います。色々探しては見たけれど条件に合う物件が見つからず困ってしまった人のために「高齢者でも賃貸が借りやすい」、「高齢者向けに整備されている」UR賃貸をご紹介します。UR賃貸では高齢者に限らず様々な制度を取り入れているため家賃の減額や住みやすい環境作りが施されています。高齢者の方にも住みやすい住宅を説明していきます。

高齢者向け優良賃貸住宅

高齢者向け優良賃貸住宅とは、

「高齢者向けの改良が可能な構造の団地の一部のお部屋(主に1階)について、床の段差をほとんど無くし、要所に手すりを設置するなど、高齢者の方が使いやすいように配慮すると共に、一定以下の所得の方には、家賃負担の軽減措置がある賃貸住宅です。」
参照：UR賃貸住宅（高齢者向け優良賃貸住宅｜便利な制度｜UR賃貸住宅 (ur-net.go.jp)）

こちらの賃貸住宅では国とURが家賃の一部（1/2ずつ）を負担してもらえるので実際の家賃よりも安く住むことが可能です。もちろん所得が一定以下（世帯全員の所得月額の合計が15.8万円以下）という条件などがあるので、URの定める条件に合う方のみ適応されます。

収入が少なく家賃が高くて困っている方には、こちらの制度を利用して少ない家賃で住むことができるのでおすすめです。

シルバー住宅

シルバー住宅では金銭面では問題なくても、健康面に不安のある方におすすめです。シルバー住宅では、生活援助員が入居者の生活をサポートしてくれる賃貸です。

生活援助員が行ってくれるサポート内容は、

・一時的な家事支援
・安否の確認
・緊急時対応および関係機関との連絡
・生活指導や福祉に関する相談と案内

また、玄関に手すりがあったり、段差を解消していたりと高齢者の方にも住みやすい環境の整った賃貸となっているので健康面で不安がある方におすすめです。

健康寿命サポート住宅

健康寿命サポート住宅では、高齢者の方に住みやすい環境が整っている賃貸です。例えば、転倒防止を配慮した構造であったり、外に散歩しに行きたくなるような屋外空間の設計であったりと高齢者の方でも生き生きとした生活を送りたい方におすすめです。

こちらの住宅も一定所得以下であれば減額制度を受けることが可能なため、金銭面で心配な方にもおすすめな住宅になっています。

高齢者だからといって断る大家さんも減っている

高齢化社会を踏まえて、昨今では「高齢者だから」といって入居を拒否する人は減ってきています。高齢者が増えているのが現状ですので、高齢者の方に住みやすい環境作りが増えてきているのが現状です。そのため、賃貸が借りにくいという印象を持つ方もいると思いますが、大きく不安を持たなくても心配ありません。

不動産会社や物件は皆さんが思っている以上にたくさん存在しているので、自分の条件にあった賃貸は探せば必ず見つかります。

自分に合う賃貸を増やすためにも、早めに貯蓄しておくことや、家族の支援をお願いするなどできることはしておきましょう。

老後に賃貸を借りられないというのは嘘である

「高齢者の方は賃貸を借りられない」ということはありません。実際に借りている方もいるので深く心配する必要はありません。しかし、収入面などから心配になる方は多くいると思います。そのためにも自分一人で頑張ろうとするのではなく、家族や身内（ヘルパーさん）など誰か相談できる相手を見つけておくことが大切です。

一般的な不動産会社では条件がなかなか合わない場合は、減額制度などがあるUR賃貸で検索してみてもいいでしょう。

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