「URって安いことが売りの貧乏人向けの物件でしょ?」
「URって家賃が高くて審査が厳しい金持ち向けの物件だよね?」
UR賃貸には様々なイメージが持たれていますが、なかには全く正反対のイメージが混在しています。
偏った知識だけが広がり、そのイメージだけでUR賃貸を毛嫌いしてしまう…なんて人もいます。
この記事ではUR賃貸が金持ちと低所得者、どちらが多いのか?実際はどうなのかというその実態と、UR賃貸のメリットまでをまとめました。
この記事を読めば、UR賃貸に関して「なんとなく」ではなく「正しい」知識を持つことができるでしょう。
勘違いしていませんか?UR賃貸と公営住宅
はじめに多くの人が勘違いしている点についてお伝えをしていきます。
あなたは、UR賃貸と公営住宅を混同していませんか?
いわゆる「団地」であっても、公営住宅とUR賃貸住宅は運営団体から申し込み条件まで全く異なっています。
あなたが思い描いているUR賃貸のイメージは、ひょっとしたら公営住宅の特徴かもしれません。
以下、UR賃貸住宅と公営住宅の違いを表にまとめました。
UR賃貸住宅 | 公営住宅 | |
運営組織 | 国土交通省管轄 独立行政法人都市再生機構 |
地方自治体 (都道府県・市区町村) |
敷金 | 必要 | 必要 |
礼金・仲介手数料 | 不要 | 不要 |
更新料 | 不要 | 不要 |
保証人 | 不要 | 必要 |
入居者 | 世帯(ファミリー向け) | 世帯者・単身者問わず |
申し込み方法 | 先着順(一部新築物件除く) | ほとんどが抽選 |
収入条件 | 一定基準以上の収入があること | 一定基準以下の収入であること |
違いは様々ありますが、最も大きく違っているのは「収入条件」です。
公営住宅は収入条件が「一定の基準以下の収入であること」に対し、
UR賃貸は「一定の基準以上の収入があること」を条件としています。
つまり公営住宅は所得制限のある低所得者向けの物件であり、
UR賃貸は一定基準を超えていれば所得制限もない物件ということです。
また、申し込み方法も公営住宅が抽選であることに対し、UR賃貸は先着順です。
この二つを混同していると、
「URって貧乏な人が住むところだよね?」
「URって抽選の倍率がやばいんでしょ?」
というような勘違いに繋がってきてしまいます。
偏ったイメージを持つ前に、きちんとした情報を知ることが大切です。
UR賃貸は低所得者向け?金持ち向け?
ひとえにUR賃貸と言っても、人によってそのイメージは全く異なっています。
古めかしい団地で低所得者向けの物件と思う人もいれば、タワーマンションで家賃の高いお金持ち向けの物件と思う人もいます。
実際、UR賃貸はどういった層向けの賃貸なのでしょうか?
UR賃貸の申し込みは、住む物件の家賃に対して一定基準以上の収入が必要となります。
以下、収入条件について表にまとめました。
単身者に必要な収入基準
家賃額 | 基準月収額 |
62,500円未満 | 家賃額の4倍 |
62,500円~ 20万円未満 | 25万円(固定額) |
20万円以上 | 40万円(固定額) |
世帯者(ファミリー)に必要な収入基準
家賃額 | 基準月収額 |
82,500円未満 | 家賃額の4倍 |
82,500円~ 20万円未満 | 33万円(固定額) |
20万円以上 | 40万円(固定額) |
例えば家賃6万円の物件に申し込もうとした場合、家賃額の4倍である24万円の収入が最低限必要となります。
この基礎知識をベースに、表題の問題を考えていきます。
UR賃貸は低所得者向け?
UR賃貸は間取りが広めにとられているため、同じ地域の一般の物件よりも割高になる可能性があります。
したがって、「UR賃貸=家賃が安い」という訳ではありません。
また、先ほどご紹介した通り、基本的には「家賃の4倍」の収入が必要となります。
(特例で収入基準の緩和制度などはあります)
低所得を理由とした大きな家賃補助があるわけでもなく、公営住宅と異なり所得制限などもありません。
このことから、UR賃貸は「低所得者向けとは言えない」でしょう。
UR賃貸は金持ち向け?
では、UR賃貸は高所得いわゆるお金持ち向けなのかと言われれば一概にそうとも言い切れません。
UR賃貸は取扱い物件が豊富ですので、家賃が高い高所得者向けの物件もあれば、家賃が安い低所得者向けの物件もあります。
また、世代やライフスタイルに合わせたお得な家賃プランや割引制度が充実しています。
●近居割…指定エリア内で近居する二世帯の家賃が減額
●そのママ割…子育てで特定条件を満たせば最大3年間家賃がお得に
●U35割…35歳以下で特定条件を満たせば最大3年間家賃がお得に
●子育て割…子育て世代で特定条件を満たせば最大9年間家賃がお得に
このほか、礼金ナシ、仲介手数料ナシ、保証人ナシ、更新料ナシと初期費用から長く住み続けた際の費用も抑えられます。
このことから、UR賃貸は「金持ち向けとは言えない」でしょう。
じゃあどんな人に向いている?
UR賃貸の審査において重要なのは「家賃を払い続けられる能力があるか」です。
それは低所得か、金持ちかという問題ではなく、「済んでいる物件に対して適切な収入があるか」ということです。
UR賃貸は、条件さえ満たせばどんな人でも入居することができます。
UR賃貸は住民の層がやばい?ボロい団地?
「団地って治安が悪いイメージがある…」
「保証人なしってことは訳ありの人が多いんでしょ?」
「昔ながらの団地なんだからボロいんでしょ?」
この章ではそんなUR賃貸のイメージに対する回答をいたします。
URは年金受給者が多い?
保証人を立てることが難しい高齢の方にとって、年齢制限もなく保証人不要のUR賃貸は適した物件と言えます。
しかしながら、年金収入だけではUR賃貸の収入条件に達することは厳しいでしょう。
審査を通す方法としては、
●家賃を1年分先払いする
●本人の収入と同居親族の収入を合算する
●本人と別居親族の収入を合算する
といった方法で審査を通すことも可能です。
ですが条件から考えても「URに年金受給者が多いとは言えない」でしょう。
URはひとり親世帯が多い?
そのママ割や子育て割など、子育て世代の家賃割引制度が豊富なUR賃貸は母子家庭・父子家庭といった、いわゆるひとり親世帯へのサポートがあります。
ですが収入に関する条件に変わりはありませんので、一馬力の収入では厳しい可能性もあるでしょう。
収入審査を通す方法としては、
●家賃を1年分先払いする
●本人の収入とサポートする親族の収入を合算する
●収入条件をクリアした親族が連帯保証人となる
などの方法があります。
ですがやはり収入条件を考えると、特別「URにひとり親世帯が多いとは言えない」でしょう。
生活保護受給者が多い?
UR賃貸は特別、生活保護受給者に対する割引があるという訳ではありません。
通常生活保護として給付される金額では、URの収入条件をクリアすることは難しいです。
また、家賃の先払いや一定の貯蓄を証明して審査を免除するということも厳しいでしょう。
審査を通す方法としては、
ことが必要です。
ですが条件に合う戸数が決して多いわけではありませんので、「URに生活保護受給者が多いとは言えない」でしょう。
UR賃貸はボロい団地?
UR賃貸は団地からタワーマンションまで幅広い物件を取り揃えています。
また、物件自体が古かったとしても壁や床、水回りなどがきれいに改装されているものも多いです。
更に、無印良品やイケアとコラボしたリノベーション物件などもあります。
したがって、「UR賃貸=ボロいとは言えない」でしょう。
UR賃貸は条件さえ満たせば最強!?
収入条件があるUR賃貸ですが、条件さえ満たせば数々のメリットを得ることができます。
以下、メリットをご紹介していきます。
- 抽選ではなく先着順
超人気物件であっても先着順なので、スピーディーに行動できれば思わぬ良物件を手に入れられる可能性があります。 - 礼金ナシ、仲介手数料ナシ、更新料ナシ
初期費用が一般の賃貸と比べてグッと抑えられるのはUR賃貸の大きなメリットです。 - 保証人不要なので心配ナシ
人によっては様々な理由で頼れる人がいない場合もありますよね。
また、シニア層の人も年齢の関係で保証人を立てることが難しい場合もあります。
UR賃貸は条件さえ満たせば保証人を立てる必要ナシなので気兼ねなく契約することができます。 - 敷金の返還もトラブルなし
敷金返還は明確なガイドラインのもときちんと査定されます。
退去時の敷金に関するトラブルや、面倒な交渉も必要ありません。 - リノベーション物件もたくさん
広々とした間取りで新しくリノベーションされたお部屋もたくさんあります。 - ゆったりとした緑あふれる環境
UR賃貸は建物どうしの間隔がゆったりととられているため閉塞感を感じにくい環境になっています。
また、木々や花々など緑豊かな環境の整備がされています。 - ライフスタイルに合わせた物件の数々
駅近の通勤に便利な物件や、郊外の緑豊かな子育て世代向けの物件など、ライフスタイルに合わせた幅広い物件を取り揃えています
まとめ
いかがでしたでしょうか?
UR賃貸は金持ち向け、低所得者向けとひとえに言い切れるものではなく、物件もピンからキリまで存在します。
そのぶん、借り手側の選択肢が広く「自分に合った物件」を探すことができます。
条件さえ揃えば誰でも住むことができますし、条件が揃っているということは「無理のないゆとりのある暮らしができる」ということです。
「UR賃貸はやばい」「UR賃貸は住みたくない」といった偏ったイメージを持たず、公平な視点を持つことで良いお部屋探しに繋がっていくことでしょう。
あなたもお部屋探しの候補として、UR賃貸に目を向けてみませんか?
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